FX取引:上級レベル

上級
Trading101
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Lectures 20 レッスン
Duration 20 時間

資金を守る手段としての取引の多様化

あらゆる資金運用戦略でおそらく最も重要となる多様化では、FX取引またはポートフォリオにおいてリスクの分散が好まれます。この分散は、ランダムに行われるわけではありません。

そうではなく、ポートフォリオに影響する可能性のある、ミクロ・マクロ全要素を考慮します。さらに、そこに付随するであろう全コストも考慮します。

大手のヘッジファンドや投資企業を例として考えてみてください。個人FXと取引は事業規模では、ある一つのことを除けば比較になりません。その一つが、取引アカウントの管理です。

「大手プレイヤー」の仕事とは、自らの投資金を守り、収益を上げる方法で変動の激しい期間に「ナビゲート」することです。 信じようと信じまいと、主な目的はお金を稼ぐことではありません。代わりに資金を守ることに注意を払います。

業界での年間平均収益率が例えば10%超だったときに、年間わずか1%しか収益率が上昇していなければ、その資金運用者は負けたとみなされます。投資家は逃げ、償還率が上昇し、次に分かることは資金の扉が閉まるだろう、ということです。

しかし同じ資金運用者が、たった1%の上昇率でもヒーローだとみなされることもあります。業界の平均収益率がマイナスとなり、ほんの一握りのファンドだけが利益をあげた場合を考えてみてください。そのような場合、この運用者は資金保護に成功したことになります。

多様化とはマインドセット(心構え)に注意を払うことです。逆張り投資家を例に挙げましょう。

一般大衆と反対の考え方をするのは、必ずしも間違っていません。実際、これはかなり興味深い設定です。もし、個人取引の世界でほぼ全員が損失を出すとするなら、なぜそれに対策がないといえるでしょうか?さまざまな心構えを持つ(多様化する)ことも、目標達成に役立ちます。

FX取引での多様化

一般的な考えとは反対に、多様化はFX取引の前から始まります。要するに、ある個人がなぜ取引ゲームに引き寄せられたか、という理由から始まるのです。

もしそれが興味本位や趣味の必要性からくるものであれば、それを見つけ出すのには高くつくでしょう。アドレナリンが理由であっても同様です。

しかしほとんどの人は、収入を増やそうとFX取引に参加します。通常の収入ではない、さらなる余分な収入源です。または、通常の日々の仕事一つだけに頼るのではなく、他の収入源も確保したい、という収入の多様化を求めているためです。

同じカゴに全ての卵(収益の可能性)を入れてしまい、収入のオプションを増やすために分散させないのはなぜでしょうか?FX取引にだけでなく、例えば家を買うといった、あらゆる投資にも同じことが言えます。

FX取引で絶対に人生を台無しにしないようにする最初の条件は、どのくらいのリスクを負うかコントロールすることです。投資や、取引アカウントへの資金投入などについても同様のことが言えます。トレーダーが市場にどうやって対応していいか分からなかったり、FX取引が何たるかを全く分かっていなかったりしたというだけの理由で、負けることができる額よりもはるかに多くの額を危険二さらしてしまったトレーダーの事例がインターネットにはあふれています。貪欲さや恐れ、悲惨な結果が取引アカウントに及ぼす影響については言うまでもありません!

適切な経済専門用語が、これを投資可能な資産、と言及しています。その金額がいくらかを理解するには、純資産で考えないでください。

そうではなく、生計に必要な資産を差し引いて、あとに残った金額を考えてください。残ったのがどんな金額であれ、それが取引アカウントに投入できる金額の合計です。

お分かりのように、多様化プロセスはすでに始まっています。そして次が、実際のFX取引の対応方法に注目するタイミングです。

健全なキャッシュポジションを維持する

すべては取引アカウントのキャッシュポジションから始まります。最初は100%ですが、それはポートフォリオをさまざまなパートに分割する前のことです。

分割については、同じ取引アカウントで取り組む可能性ある全ての市場を考慮します。

一部は現金であるべきです。理想的には、配分の割合は15-25%幅でさまざまな率であるべきです。それはなぜでしょうか?

現金は、以下のような2つの役割を担います。

- 1つは、望まない方向に向かった取引に対抗できる、充分なマージンを供給するためです。ストップロスがかかるまで、市場が動く必要のある距離はまだあり、その距離にはフリーマージンが必要です。複数のオープン取引では、合計金額がかなりのものになります。

- もう一つは、チャンスをつかむために使うことです。市場が大きな売買ポイントに届いたとき、それに乗って利益を出す現金がないのでは、何の意味があるでしょうか?

従って、トレーダーは配分割合に幅が必要です。割合が大きい方は変化させられますが、最少のほうは絶対にそれを下回るべきではありません。

現金は王者であり、ポジションがないことがポジションです。市場がオープンしているからというだけでは、取引をオープンする充分な理由になりません。

米ドルに注意を払う

世界の準備金として、米ドルはFX取引でも最大シェアを占めています。実際に、FX取引ダッシュボードは二つのカテゴリーに分けられます。それはメジャー(主要)通貨ペアとクロス通貨ペアです。

それを踏まえた上で、残りのポートフォリオを三等分しましょう。なぜ3つなのでしょうか?

下記に理由を挙げます。

  • 1つ目は、メジャー通貨ペア(つまりペアの一方が米ドル)だけに絞る
  • 2つ目は、クロス通貨ペア(ペアに米ドルが入っていない)だけに絞って取引する
  • 最後に、通貨ペア以外の何かを取引する。最近のFX業者は、FX取引原理と同様、利益の出せる多くの他の商品を提供しています。そのような市場はコモディティー(例:貴金属つまり金・銀など)、指標、さらに個人株などです。これらはすべてCFD(差金決済取引)形式で提供されています。トレーダーは、FX取引と同じアカウントで取引できることもあります。

さらに、メジャー通貨取引とクロス通貨取引に絞っている部分には制限をかけるべきです。取引アカウントの規制によりますが(例えばヘッジング)、多様化戦略は変化に苦しむからです。

シンプルなルールは、同時に3つを超える米ドルペアの取引を避けることです。クロス通貨ペアでも同じです。

クロス通貨ペアには米ドルとの接触がありませんが、メジャー通貨ペアが各クロス通貨ペアの動きに影響します。よって、米ドルは依然として関わっているものの、関わり方は間接的です。

結論

明らかに、これだけでは充分ではありません。取引アカウントの多様化ステップを説明したものの、資金運用の観点からすると、これが充分とは言えません。

その代わり、取引戦略全体のステップを示しています。次に、トレーダーは各取引の関連リスク、そのリスクの定義方法、報酬がリスクを上回る方法を考慮します。

加えて、損失の受け入れが、連勝取引を扱うのと同じぐらい大切です。よって、取引における心理的な側面が、資金運用にも影響します。

逆張り取引は通常の考え方を多角化するため、競争力をもたらします。したがって、大衆と違った考え方をすると、ほぼいつでもFX取引全体のパフォーマンスが向上します。

こうした側面のいくつかは、すでに取り上げてきましたが、他のものはまだこれからです。自分の取引スタイルが、ここで述べた点のどれかを欠いているなら、資金運用システムには大幅な改善が必要です。